Research

創作理論などについて、あれやこれやと考えたりもしています。
なお、これら「理論」は「法律」ではないので、100%守らなければならないワケではありません。
確固たる信念やアツい想いがあるなら、こんな理論なんてどうでもいいのです。拙作でもよく無視してます。


漫画を始めとした物語全般の構成要素について

 弊所が取り組んでいる創作理論の研究では、物語を構成要素レベルにまで分割し、それぞれを作る際に役立つ考え方やフレームワークを整理する、という分割統治法的アプローチを採用しています。分割統治法でミソとなるのは、大問題をどのように小問題へ切り分けるか、という点です。従って、物語の構成要素に関する研究そのものが非常な価値を持ちます。
 創作理論研究の現在地点の整理も兼ねて、物語要素構造図を作ってみた、という話では、物語の構成要素のモデルである物語要素構造図を提案しています。物語の構成要素を、直観的 ↔ 思考的の軸に沿ってモデリングすることで、「ツカミ」に向く要素・「ヒキ」に向く要素とを明確にしています。
 物語の各構成要素が脳内で絡まってしまうなどの理由で、作品作りに苦心している方の助けになれば幸いです。

漫画の表現技法について

 「物語要素構造図」では、絵・構図・コマ割・台詞などからなる「表現技法」を、最も直感的な、つまり作品の「ツカミ」として最重要な構成要素であると位置付けています。
 さらに弊所では、コマ割は宇宙みたいなもんでめちゃくちゃ難しいけど面白いよという話で論じている通り、コマ割を「ページデザイン手法」と位置付け、作品作りにおいて特に力を入れています。
 また、うきぐも考案の練習問題LWQで台詞力を鍛えようぜという話では、「台詞力トレーニング用練習問題『LWQ』」を提案しています。LWQはエル・ダブ・キューと読み、Last Words Questionsの略称です。
 コマ割の存在意義や台詞力の向上に興味がある方、あるいはそれらについて悩みを持っている方の参考になれば幸いです。

キャラクター描写について

 物語におけるキャラクターは、「ツカミ」として機能する側面を持つ一方で、物語を通じてどう変化していくのか・どのような決断をするのか、という「ヒキ」として機能する側面も併せ持つ、描写において悩みの絶えない要素といえます。
 弊所では、三幕構成を使いこなす ~創作の旅路を支える地図~(Speaker Deck, アーカイブ動画)で論じている通り、キャラクターに関する情報を整理する方法として「キャラクタークラス図を用いたモデリング手法」を提案しています。
 魅力的なキャラクター作りや、感動を生むキャラクター描写のヒントになれば幸いです。

ストーリー作りについて

 弊所の創作理論研究では、三幕構成を「変化の型」と位置付け、ストーリーのフレームワークとして主に採用しています。物語とは変化を描くために設計された情報の羅列であるため、「変化の型」である三幕構成の活用が有効なのです。これについては物語のフレームワークとして三幕構成が有効なのってどうしてさという話で詳しく論じています。
 また、三幕構成を使いこなす ~創作の旅路を支える地図~(Speaker Deck, アーカイブ動画)では、主に連載作品における「三幕構成の入れ子構造設計」を提案しています。
 加えて、三幕構成に基づいたストーリーパターン分類を作ってみたよという話では、三幕構成の各幕で描く内容について二値分類した「三軸八型ストーリーパターン分類」を提案しています。
 面白い物語の作り方を探している方や、三幕構成は知っているがうまく活用できていない方の、創作活動の一助になれば幸いです。

テーマ選定について

 物語におけるテーマとは、その物語全体を通じて探求したり答えを出そうとする「問い」のことです。すなわちテーマは、物語のリサーチクエスチョンとも言える、背骨が如く非常に重要な要素です。
 弊所では、「物語のテーマについて」がテーマのブログでもいいじゃない、という話で論じている通り、比較検討型・哲学追求型・発散網羅型という3つのタイプ分類を提案しています。
 キャラクターやストーリーパターンと調和したテーマ選定に悩んでいる方のお役に立てば幸いです。

制作体制について

 弊所では、「コンテンツは物理的な実体を持たないため広義のソフトウェアに該当する」と定義しており、IT業界のチーム開発手法をクリエイティブ業界へ横展開する支援をしています。下記はその事例です。